前回の記事で、「激務から抜け出して定時帰りを手に入れたものの、趣味がなくて時間が余っている」という贅沢な悩みについて書きました。
開いた時間をどう使えばいいのか。そこでさっそく、お金を1円もかけずにできる「小さな実験」をやってみることにしました。
それは、「かつて自分が通っていた昔の通学路を、ただ目的もなく歩いてみる」ということ。
結論から言うと、この何気ない散歩が、激務でカサカサに乾いていた私の心に、驚くほど豊かな時間を運んでくれたのです。今回は、40代設計者が実際にノスタルジー散歩をして気づいた、最高の時間の使い方についてリアルにお話しします。
実際に歩いてみて気づいた、小さな大発見
激務時代には、休日は泥のように眠るか、平日の疲れを引きずって家から一歩も出ないような生活でした。
しかし、定時退社で心に余白ができた今、私はかつて毎日歩いていた昔の通学路を、何の実利も目的もなく、ただゆっくりと歩いてみました。
実際に歩いてみると、驚くような発見がありました。
当時からずっとそこにあった、個人経営の小さなカレー屋さん。
当時はいつも横目に通り過ぎるだけだったそのお店に、今回、人生で初めて足を踏み入れてみたのです。
スパイスのいい香りが漂う店内でカレーを味わいながら、ただ五感をひらいて街の空気を吸う。
当時、未来への不安や焦りを抱えながら歩いていた学生時代の記憶がふっと蘇ると同時に、「ああ、今の自分はあの頃にはなかった『時間と心の自由』を、確かに手に入れたんだな」という実感が、じわじわと胸に湧いてきました。
激務時代には、お店に入る「心の余白」すらなかった
もし私が、以前の会社で深夜まで残業し、精神をすり減らす毎日を送っていたとしたら、こんな平日の夕方に昔の通学路を歩こうなんて1ミリも思わなかったはずです。
たとえ時間が空いたとしても、疲弊した脳を休めるために家で寝転び、スマホを眺めて終わりだったでしょう。
あの頃の私は、「やりたいことがない」「趣味がない」と嘆きつつも、そもそも何かに興味を持ったり、思い出に浸ったりするための「心の余白」が100%枯渇していたのだと、今になって気づきました。
定時で帰り、自分の人生の時間を自分のために使う。
その余白があって初めて、人間は「あ、あそこのカレー屋、入ってみようかな」という小さな好奇心や、豊かな感性を取り戻せるのです。
まとめ:趣味がないなら、まずは1円もかからない「小さな実験」から
「会社を辞めて転職したけど、これといってやりたいことがない」
そう悩んでいる同志のエンジニアや40代の方がいたら、声を大にして伝えたいです。
遠くへ旅行に行く必要も、高価な趣味を始める必要もありません。
まずは、昔住んでいた街や、かつての通学路を、ただ目的もなく歩いてみてください。
ずっとそこにあったのに、忙しさで見落としていた個人経営の小さなお店に、あえて今、初めて入ってみる。
そんな1円もかからない「小さな実験」が、あなたの心に信じられないほどの潤いと、自由の実感を与えてくれるはずです。
私の「やりたいこと探し」の実験は、まだ始まったばかり。次は何を試してみようか、今から少しワクワクしています。